ちょっと不思議なトラ

4歳4ヶ月。

Smileが生まれたときから、童話館から毎月2冊、絵本が送られてきます。今月も2冊、届きました(過去の記事『ぶっくくらぶ』)。

その1冊が『おちゃのじかんにきたとら』。表紙にはちょっとユーモラスなトラが描かれています。


Smileと一緒に読んでいたのですが、ちょっと不思議なお話。

ある日、ソフィという女の子とお母さんがお茶の時間にしようとしたら、 突然 チャイムが鳴り、戸を開けると そこにはトラが。 『ぼく とてもおなかがすいているんです。おちゃのじかんに、ご一緒させていただけませんか』と、とても礼儀正しいトラ。 お母さんは快くトラを迎え入れますが、お腹を空かしたトラは、おやつだけでなく、家中の食べ物を食べ尽くし、飲み物まで飲み尽くしてしまいます。 お腹いっぱいになったトラは、『そろそろおいとまします』と言って帰ってしまいます。


わたしは てっきりソフィとお母さんが食べられてしまうのではないか、と内心ハラハラ。でもトラはそれ以来  戻ってくることはありませんでした。

娘は、「変なトラだね」と言って笑っていましたが、ファンタジックな内容に少し不気味さが混ざる感じと言うか、何とも不思議な後味の絵本でした。

その夜、絵本のことを少し調べてみると、その不気味さの正体が分かりました。

作者のジュディス・カーの家族は、第二次世界大戦ナチスに圧迫されていて、彼女の父親は命の危険にもさらされていたそうです。トラは、そんな彼女の幼い頃の記憶を映し出しているのではないかと、ある絵本作家は書いています。

ある日  突然 全てを奪われる怖さ。そういった忍び寄る恐怖をジュディス・カーはトラに投影していたのかもしれない。

こういった背景は、Smileは知る必要はないと思います。でも、「得体の知れないもの」に対する怖さが感じられる絵本に触れるのもいい機会なのかな、と。


今月届いた2冊の絵本と、折り紙とあやとりの本。毎月、絵本が自分宛てに届くのが楽しみで仕方がないSmile。