どんなバイリンガルになって欲しいか

4歳5ヶ月。

先日、プリスクールの保育士の方と話していて、inclusive education(包括的な教育)の話になりました。

主に特別支援教育の分野で使われる言葉のようですが、バイリンガル育児にも通ずるものがあるなと感じました。


Inclusive Education(包括的な教育)


integrated education(統合教育)と inclusive education(包括的な教育)は似ているようで、根本的な考え方が全く異なります。

integrated education(統合教育)は、障害のある子と そうでない子を分けた上で、同じ環境で教育を受けさせること。そのため、障害のある子は、普通教育の場に順応すべく合わせていかなければならないとのこと。

inclusive education(包括的な教育)は、「子ども一人一人が 異なる存在であり、すべての子どもが学ぶことができる」という考え方。そのため、子どもが教育現場に合わせるのではなく、現場の方が一人一人のニーズに合わせるべく変わる体勢ができている。そして多様性が重んじられている。

図にすると下のようになります。 右のintegration(統合)は、障害のある子を区別をした上で 他の子と同じ環境に置き、障害のある子は メインストリーム(主軸)に合わせることが求められる。

でも左のinclusion(包括)は、 子ども一人一人が 固有の存在であり、すべての子のニーズに答えようと言うもの。一人一人が、お互いに足りないものを補い、強みを生かしたりして 影響し合う良さがある。

周りの大人だけでなく、子ども同士も互いの特性を尊重し、成長していくという意味では、娘の通う自主保育のスクールももinclusive educatiom(包括的な教育)と言えるかもしれません。


多様性に寛容な心


以前、Smileには、人と違うところがあっても、「違い」を その人の個性として 受け入れる柔軟性も身につけて欲しい と書きました(過去の記事『「特別」って呼ばないで』)。


その延長線上に、exclusive(他者を入れない/排他的)にはなって欲しくないということもあります。これは、英語ができること以上に大切なことだと思っています。

色んな違いに対して柔軟でいて、かつinclusive(あらゆるものに対して受け入れる姿勢である)なバイリンガルに育って欲しい。そして 「自分は自分」という軸も持っていて欲しい と思います。

参考文献

Kaur J & Arora B.(2014) Inclusive education - An integrated approach. International Journal of Research in Humanities, Arts and Literature, 2 (2), 59-64.)