魔法の小石

4歳5ヶ月。

先日、"Sylvester and the Magic Pebble(ロバのシルベスターと まほうの小石)"を借りてきて読みました。

"The Magic Horse of Han Gan(この世でいちばんすばらしい馬)"を読んだときのような不思議な感覚になりました(過去の記事『躍動感あふれる絵本』)。

ほっと心温まる内容の中にも 驚きや悲しみ、絶望も描かれています。

小石を集めるのが大好きなロバのシルベスター。 ある日、輝く赤い小石を見つけます。そして それが 手に握り 願えば何でも叶えてくれる魔法の小石であることを発見します。 お父さんとお母さんに早く小石を見せたい一心で、帰り道を急ぐも、 途中でライオンに出くわします。恐怖で焦ったシルベスターは、とっさに「石になりたい」と願います。 そしてシルベスターは、石になってしまいます。 石になったシルベスターは、小石を触ることも 願い事をすることもできません。もちろん、助けを求めることもできません。 絶望的になったシルベスターは、誰かが 魔法の小石を見つけて、その石がロバになってくれるように願うのを待つしかできません。 心配で心配で 何ヶ月もシルベスターを探しまわる両親。でもシルベスターは見つかりません。 そして時は過ぎ、春が来ます。シルベスターの両親はピクニックに出掛けます。

印象に残っているのが、シルベスターが石になっているときの気持ち。

意識があると絶望感に打ち拉がれるので、シルベスターは考えなくてすむように深い眠りにつくのです。

意識的に無感覚になろうとしている姿が何とも痛ましい。

最後はハッピーエンドだけれど、とても哲学的な、考えさせられる一冊です。

Smileも、読み終わったあと 複雑な表情をしていましたが、魔法の小石が気に入ったようです。

今度読んだときは、もしも魔法の小石があったら、どんなことを願うのか。石になったシルベスターはどんな気持ちだったのか、そんなことも聞いてみたいと思います。

いよいよ明日からポートランド。姉家族との再会が待ち遠しいです。