今でこそ、至るところで耳にする『インプット』という言葉。
日本の英語教育で使われている「インプット」は、もともとは言語学者のKrashen氏が提唱したインプット仮説から広まったと考えています。
いろいろな批判もあるものの、今でも言語習得では有名な仮説。
インプットの量
今は、「大量のインプットが大事」というメッセージが一人歩きしているような、そんな印象も受けます。
ひと昔前は『英語をシャワーのように浴びたら、ある日 突然英語が溢れ出す』と言う表現もよく目にしましたが、今は『インプット2000時間で英語を習得できる』という文句をよく目にします。
どちらも主張は一緒。
ある一定量のインプットを与え続ければ、英語を話し始める(聞き取れるようになる)という考え方。
でも、実はこの「2000時間」にはこれと言った根拠はないようです。
十分なインプット量の「目安くらいにはなる」程度に思っておいた方が安全かもしれません。
インプットの質
そもそもインプットって何なんでしょうか?
インプットは言語情報のようなもの、と考えると分かりやすいと思います。
でも、アウトプット(発話)に繋がるものでなければ 効果は上がりません。
言語習得でいうインプット理論で重要なのは主に3つと考えています。
- 理解可能であること
- 繰り返し与えられること
- 学習者がインプットに気づくこと
その子に合ったインプットを
- その子が好きそうな内容か?
- その子の年齢に適した内容か(言葉遣いや表現など)
- その子とって難しすぎないか?(言葉や表現が難しすぎないか?)
- 繰り返し耳(目)にするような、身近な内容か?
参考文献
・Krashen, S.D. (1985) Input Hypothesis. Issues and Implications. New York: Longman.
・Ortega, L.(2009) Understanding Second Language Acquisition. London: Hodder Education.