4歳2ヶ月。
先週の出来事。Smileと話をしていて、「思考が複雑になってきている」と強く感じた瞬間がありました。
今までも、伝えたいことが言葉にならずに苛立ちを表すことはありました。でも今回のように、伝わらないことで 泣きそうになるほど強く訴えてきたことは初めてです。
猿まわしの絵を見たSmileが ふいに聞いてきました。
- Smile: When people wear costume, monkey costumes, they will do something?(人が、猿の着ぐるみを着たら、何かするの?)
- わたし:Like at a circus? (サーカスみたいに?)
- Smile: 《顔をしかめて》No. Monkey costumes.(ううん。猿の着ぐるみ)
- わたし:Are you asking me if there are people who dress in monkey costumes?(猿の着ぐるみを着る人がいるか、って聞いてるの?)
- Smile: 《猿まわしを指して》And that person say (says) "do something" to that person, that monkey wears.... (それでその人が、「何かしなさい」って その人に言ったら....。その猿が着てる.....)
- わたし:《猿の絵を指して》This is a real monkey.(それは本物の猿だよ)
- Smile: 《泣きそうになりながら声を振り絞り》No, I'm asking you....(違うよ。聞きたいのは....)
- わたし:What are you trying to ask?(何を聞こうとしているの?)
- Smile: When that person say (says) "do something" to the...(その人が、「何かしなさい」って言ったら)
- わたし:To the monkey?(猿に?)
- Smile: To the pretend monkey....(嘘っこの猿に)
- わたし:Ah, you mean, to a person in a monkey costume?(ああ、猿の着ぐるみを着た人に?)
- Smile: Yeah, person wears monkey costume.(そう。猿の着ぐるみを着る人)
- わたし:It's a performance called "Sarumawashi," and people use real monkeys in their shows. (それは「猿まわし」っていう芸だよ。本物の猿を使うんだよ)
- Smile: Sarumawashi?(猿まわし?)
初め、Smileが何を聞きたいのか全く分かりませんでした。
Smileも知っている言葉を使って、必死に伝えようとしたけれど、理解してもらえず苛立ちを覚えたようです。
推測するに、どうやら聞きたかったことは、「猿の着ぐるみを着て、猿まわしの猿のようなことをする人もいるのか」ということ。
一方で わたしは、「猿まわしは どんなことをするのか」ということを聞いてると思っていたため、 会話でズレが生じていました。
下線の部分 「that person, that monkey wears(その人、その猿が着る)」は、おそらく「a person in a monkey costume(猿の着ぐるみを着ている人)」というような表現をしたかったのではないか。
でも それを言葉にするだけの力がなかった。
この やり取りで、日々 複雑に成長している思考を言葉で表現できない Smileの葛藤を見た気がしました。
以前、今のSmileは、発想に枠組みがない、いわば自由な状態だ、と書きました。
言葉や思想に縛られない表現もいつまでも 持っていて欲しい、と(過去の記事『子どもの発想力』)。
でも、自分の思っていることを言葉に出来ず 苦しそうなSmileを見て
思考が複雑になるにつれて それを言葉にしていく手助けもしていかないといけないのかなと感じました。
昨日のプリスクールでは、砂糖が水に溶ける様子を観察し、"sugar dissolves in water(砂糖が水に溶ける)"という具体的な表現を知ったSmile。
今でも お喋りが大好きなSmile。あと数年もすれば、豊富な語彙や表現力も備わり、この日のようなことは なくなるかもしれません。
でも言葉では表せない 自由で 抽象的な思考も 大切にして欲しい。
感じたこと全てを言葉にして具体化しなくてもいい、ということも何らかのカタチで伝えていけたら と思います。