4歳1ヶ月。
先日の出来事。
夕ご飯までの時間、「何か動画を見るか」と尋ねると、
"I want to watch 'Peppa Pig' in French.(フランス語で「ペッパピッグ」観たい)"
と返ってきたので、フランス語の"Peppa Pig"を流すこと1時間。
「内容わかったの?」と聞くと、えへへと苦笑いするSmile。
それもそのはず。プリスクールのフランス語のクラスは、月に3回。
娘が知っている言葉は、"bonjour(こんにちは)" 、"merci(ありがとう)"、"au revoir(さようなら)"と数字ちょこっとだけ。
これで"Peppe Pig"のフランス語版を理解するというのは難しいのは当然のこと。ストーリーは馴染みあるものなので、物語の流れは何となく分かっても、インプットとしての役割は期待できなそうです。
意味のあるインプット
input(インプット)→ noticing(気付き)→ intake(内在化)→ grammar knowledge(文法としての知識)→ more access(知識へのアクセス)→ output(アウトプット)
上の図式は、第二言語習得に至るまでのプロセスで、
第二言語ライティングを専門とするKate Wolfe-Quintero氏が述べていたことです。
「インプット」という言葉、最近では至るところで目にするようになりました。理解可能なインプット(comprehensible input)が十分に与えられれば、言語習得に繋がるという考え方です。
じゃあ、十分なインプットを与えればアウトプットに繋がるのか、と言われれば、それだけじゃないと感じます。
- インプットが、学習者が理解可能なレベルである(comprehensible input)
- 繰り返し同じインプットに触れることで、学習者がインプットの言語要素に気付く(noticing)
- インプットに「気付く」ことによって、インプットが内在化する(intake)
- インプットが内在化することによって、文法の要素が蓄積される(grammar knowledge)
- 繰り返し 知識にアクセスすることによって、アウトプットにつながる(access & output)
上の要素以外にも、インプットがアウトプットに繋がるまでには、学習者の情意フィルターや性格など、もっと複雑な要素が関わってくるのかもれません。
でも、まず大事なのは、学習者がインプットを理解できること
例えば、お母さんが子どもにフラッシュカードを見せて、"cold"とか"freezing"などを練習したとしても、それは必ずしもインプットにはならないかもしれない。
でも、寒い日に外に出て、お母さんが"It's freezing(寒いね)!"と凍える身振りをしたら、「自分も寒い。お母さんも寒そうにしているし、"freezing"と言っている。「寒い」ということかな」という風に 子どもは気付くかもしれません。
このとき初めて、"freezing(凍えるような)"が、子どもにとって意味のあるインプットとなり得ると思います。
インプットを理解するための土台
"Peppa Pig"フランス語版が、娘にとって意味のあるインプットとなり得るには、ある程度の基礎が必要となると思います。
- 基本的な名詞(「お父さん、お母さん、弟、恐竜」など繰り返し出て来るもの)
- 基本動作を表す言葉(「座る、立つ、寝る、出掛ける」など)
- 基本的な形容詞(「大きい、小さい、疲れた」など日常会話で出て来るもの)
こういった基礎的な語彙だけでなく、簡単な文法(syntax)を見につけてから、"Peppa Pig"を観たら、それは娘にとって意味のあるインプットとなり得るのかなと感じます。
わたしはと言えば、大学時代、第二言語でフランス語を専攻しましたが、悲しいかな、全く残っていない状態。
「Smileと一緒に 1からフランス語をやるかな...」と思いながらも、重い腰がなかなか上がらないでいます。